カチリ。
マウスのクリック音がやけに響く。
静寂が重く部屋を満たす、真夜中二時。
私は遮光カーテンを固く閉ざした暗闇の中で、液晶ディスプレイが放つ眩しいほどのブルーライトを身に浴びていた。
無機質な青白い光が、作業デスクの周りだけを不自然に浮かび上がらせている。まったくもって美容には大敵というものだが、今夜ばかりは肌の艶を気にする余裕などない。私には、どうしても今日中に確認しておかなければならないことがあった。
画面に表示されているのは、とある暗号化されたWebサーバーの管理データベースだ。
発端は昨日。